クイックマッサージ店勤務の頃
クイックマッサージ店勤務の頃
【クイックマッサージ店へ就職】
そして、クイックマッサージ店へ就職先が決まり、習ったことをどこまで活かせるのか、私の力が通用するのか、ドキドキしながら働き始めました。
この店は椅子に座っておこなうボディケアとフットケアという2つのメニューがありました。
その中でも10分、20分、30分のコースに分かれていて、それぞれで値段が違い、あと、延長10分いくら、といった感じでした。
早速研修に入ったのですが、施術の順番、この時にこういう声をかける、というのが全てマニュアルになっていました。
声をかけるタイミングを忘れると、「今何か忘れたでしょ」と指導を受けました。
「皆さんに公平に同じような施術を受けてもらう」ためだと説明がありました。
それに疑問を持つ余裕もなく、ただ、早く仕事に慣れなければ、とひたすらそのマニュアルを覚える日々。
「もっと強く押さないと」と言われ、そうなんだ、どうすればもっと強く押せるのか、この角度なら力が入りやすいかな、順番も間違えないようにと努力を続けました。
仕事が終わるとくたくたで、今度は自分が別のクイックマッサージ屋さんで施術してもらう毎日…
一体何をやってるんやろ…と我ながらおかしくなりました。
【疑問…】
仕事に慣れてくると、次第に疑問がわいてくるようになりました。
「気持ち良かった、ありがとう」と言って帰られるお客様が次の日もまたやってくる。
そして次の日も…
これって改善してないんじゃないの…?
肩こりの人も腰痛の人も、マニュアルに沿ってひたすら押す、押す、押す…
お客様が何か聞かれても、決まった言葉しかかけてはいけない。
そしてタイマーの残り時間を気にしながらの施術。
私はロボットじゃないんだ。
お客様だって、「もの」じゃなくて人間なんだ。
それも一人一人別々の…
これなら私でなくても誰でもできる。
マッサージチェアでもできる。
私がやりたかったのはこんなことじゃない…
そして、この店を辞めることにしました。
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